煌五彩(こうごさい)とは

煌五彩とは、真生窯初代 宮本忠夫が長年探求を続けた色絵細描技法作品の名称であり、真生窯でしか実現できない唯一無二の表現です。

生きた筆使いによる超絶に緻密な細描、特徴的な呉須の色、そして透明度が極めて高い絵具。これらの要素が三位一体となり煌五彩を生み出します。

古来より「九谷は絵付を離れて存在しない」といわれます。

一本の生きた線が模様となり、その集合体が絵となる。

生き生きとした絵を描くには、確かな線描と画力、高い構図力が求められ、超絶に緻密な細描を操るには、単に細かく整った小紋を描くのではなく、絶妙な揺らぎと趣きを表現するまでに気の遠くなるような鍛錬が必要となります。

線描には茶色味がかった特徴的な呉須を用います。
一般的な黒い呉須よりも、絵具を載せて焼いたときに品格のある豊かな表情を演出します。

真生窯の絵具は、圧倒的な色彩の美しさと透明度の高さを誇り、それを塗り重ねて生まれる表情は、宝石のように煌きます。
呉須で模様を描いた上に塗る絵具としては九谷焼の中で最も高い焼成温度であり、約900度で美しく発色します。

一つの模様の中でも細かく色を塗り分けていくことで器面が立体的に浮かび上がります。
また、絵柄の広い部分に塗る絵具と細かな部分に塗る絵具は異なる調合の絵具を用います。

こうして、絵具を塗っては焼く工程を十数回ほど繰り返し行います。
焼成を重ねる事は高いリスクを伴い、一般的には剥離を起こしますが、苦心を重ねて開発した独自調合の上絵具と細部にわたる塗りの工夫がそれを可能にしています。

全ては厚みある豊かな絵具の表情を生み出すために。

究極の作品を生み出すために必要な要素全てを極限まで追求した煌五彩。
その作品は全て唯一無二の一点ものであり、真生窯二代 宮本雅夫に引き継がれて進化を続けます。